建設職人の未来に「希望の太陽」の光が!!
安全・安心が法律に! 建設工事従事者の「安全」、その家族(両親・妻・子供達)に「安心」をとどける法律「建設工事従事者の安全及び健康の確保の促進に関する法律(通称:建設職人基本法)」が、いよいよ施行されます。 2016年12月9日 衆議院本会議にて、公共工事のみならず全ての建設工事従事者の安全と健康の確保を推進するため、法定福利費(社会保険料の企業負担分)の確保や一人親方問題への対処を国及び都道府県、企業に求める「建設工事従事者の安全及び健康の確保の促進に関する法律(通称:建設職人基本法)」が、可決成立しました。 この法律は建設工事従事者の安全・健康確保の具体的施策の対応を行政と企業に求めることを明記したもので、第3章に具体的な施策が記されていますので要約したものを下記紹介いたします。弊社はじめ、日本建設職人社会振興連盟に結集する建設業者、建設職人が国会議員等国政関係者を動かして成立させた画期的な法規範です。 -目次- 第1章 総則 第2章 基本計画等 第3章 基本的施策 第4章 建設工事従事者安全健康確保推進会議 <「第3章 基本的施策」の主な内容> 1.法定福利費等建設工事従事者の安全・健康に係る経費の内訳明示(請負契約における経費の適切かつ明確な積算等 第十条) 請負契約(請負代金の額、工期)において、労災保険の保険料を含む、これら経費の適切かつ明確な積算、明示、支払いの促進等下請けに至るまでを講ずるものとする。 2.下請け関係の適正化(責任体制の明確化 第十一条) 下請け関係の適正化促進、その他必要な施策を講ずるものとする。 3.労災保険加入状況の確認(措置の統一的な実施 第十二条) 一つの工事現場において、全ての建設工事従事者に係る労災保険の保険関係の把握、その他必要な施策を統一的に講ずるものとする。 4.安全点検の実施及び安全工法等による施工(安全性の点検等 第十三条) ①安全性の点検、分析、評価等について建設業者等による、自主的な取り組みを促進するものとする。 ②安全に配慮した建築物の設計の普及、安全な工事の実施、省力化・生産性の向上に配意した材料・資機材及び施工方法の開発、普及を促進するものとする。 5.安全教育の実施(安全及び健康に関する意識の啓発 第十四条) 安全又は衛生のための教育の実施、自主的な意識啓発に係る取組の促進、他必要な施策を講ずるものとする。 <施行> この法律は、公布の日から起算して3ヶ月を経過した日(つまり3月16日)から施行する。 建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する決議 平成二十八年十二月六日 参議院国土交通委員会 この法案採決に当たり「政府は、建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。」として同委員会で採決された決議です。衆議院国土交通委員会(12月9日)でも、ほぼ同じ決議がなされました。今後の我々の業務遂行に当たって重要な指針となるものです。(以下原文) 一(建設工事従事者の処遇改善と地位向上) 建設工事従事者の「安全及び健康の確保」が「処遇の改善及び地位の向上」の促進を旨として行われるよう、これらを総合的に結びつける施策の検討を進め、基本計画に盛り込むこと。また、その際「安全及び健康の確保」が何よりも優先されるべきであることに十分配慮すること。 二(法定福利費を含む見積書提出の徹底、社会保険未加入等) 墜落事故の防止対策その他建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する経費については、現在、政府が進めている法定福利費を内訳明示した見積書の提出等に関する施策を一層強力に進める等、社会保険一般の未加入対策について、その一層の推進を図ること。 三(社会保険料等安全・健康経費の適切支払い) 社会保険に関する必要な経費を適切かつ明確に確保し、これが下請事業者に至るまで確実に支払われ、所要の施策が講ぜられるようにすることは、建設工事従事者の安全及び健康の確保のみならず、処遇の改善を図る上でも重要な施策であることに鑑み、社会保険料一般を含む安全及び健康の確保に関する経費が適切に支払われるよう努めること。 四(余裕ある工期徹底) 建設労働災害や事故の原因の一つとして、適正な工期が確保されていない問題が指摘されていることに鑑み、安全確保のための余裕ある工期の設定が図られるべきであることを基本計画において明示すること。 五(労災撲滅のための調査研究) 建設労働災害の撲滅に資するため、建設工事現場の調査、研究、分析に努めること。 六(専門家による点検促進) 建設工事の現場の安全を確保し、災害を防止するためには、不断の点検が重要となるため、十分な知識・経験を有する者による点検の促進を図ること。 七(科学的知見等を有する専門家による会議構成) 専門家会議の委員の人選に当たっては、単に専門的知識だけでなく、科学的、社会政策的知見に基づき客観的立場に立った意見及び建設工事従事者の立場に立った意見の反映が担保されるような構成とすること。 八(墜落災害に対する早期対策) 本法の趣旨に基づき、建設労働災害の四割程度を占める墜落災害の撲滅を期すために、制度の整備及び労働災害防止計画の改定を始めとする実効ある対策を推進すること。 九(各種審議会委員会の人選配慮) 本法による施策の推進をより実効あらしめるため、関係する審議会等に現場の実態が的確に反映されるよう、委員の構成等について配慮すること。 十(オリンピック等工事繁忙への対応) 今後東京オリンピック・パラリンピック関連工事が増大することに伴い、建設工事従事者の安全と健康に特に配慮が必要な状況の下、政府はそのために必要な対策を講ずること。 右(以上)決議する。